「あぁ、BMWって素晴らしい!」/“愛すべき”魅力あるクルマ達を絶賛する【試乗】(2/5)
- 筆者: マリオ 高野
- カメラマン:青木禎之
極上甘美な乗り味が堪能できる「M235i」に試乗
BMW自身もそれをよく理解しているようで、2014年に「M235i」というBMWの魅力が凝縮された見本市のような、BMWの味がこれ以上なくわかりやすく味わい尽くせるモデルをリリースしました。
同クラスのさらなる最高性能車としては、まだ上に「M2」があるわけですが、M2ほどに速く凄くはなくともM2よりずっと低価格で、逆にM2にはないMTを日本仕様にも用意している(M4はMT)など、一般的なクルマ好きのドライバーを悶絶させるために生み出されたとしか思えない、極上甘美な乗り味が堪能できるのがM235iです。
「直6」「FR」「50対50」はもはや“家宝”のような存在
M235iにおける第一の悶絶ポイントは、縦置き直列6気筒のFRで50対50の前後重量配分という、世界中のBMWファンの誰もが納得のレイアウトであること。
気分が高揚せずにはいられないドライバーズシート
次なる悶絶ポイントは、金庫のように重厚なドアを開けて運転席に座った瞬間から実感できる、ただひたすらドライバーを気持ち良くさせるために整えられたとしか思えない着座環境にあります。
極上のシフト&クラッチは、もはや快楽のためのインターフェイスか
気になるシフトとクラッチの操作感は、まだエンジンをかけていない車両静止状態での印象は極上。
シフトはクルマの意思がそうさせているかのようにニュートラルの位置に戻す力が強く、シフトミスをやらかすリスクの低さを予感させ、大胆な操作に臨むモチベーションの源泉となり、操作時の重さやストローク量、さらにはシフトノブ自体の硬質感さえも徹底的に煮詰められて設計されたことが伝わります。
単に変速操作を行うための棒ではなく、手動変速という今やごく一部のクルマ好きしか所望しない特別な仕様を選んだ人に快楽を与えるための、珠玉の心臓とドライバーを繋げるインターフェイス。
このシフトを操作して珠玉のストレートシックスをブチ回すシーンを想像するだけで酩酊しそうです。
クラッチもまた、重すぎると感じさせない範囲でしっかりとした重めの踏み応えを残し、非凡さを実感。やはりこれも単なる変速のためのペダル機構などではなく、踏んだり繋いだりすること自体を喜びとできる配慮が施されているように感じます。
必要とする踏力は多少重めですが、感触が良いので渋滞でも気にならず、このシフトとクラッチの快感が味わえないと思うと、諸事情によりATを選ばざるを得ない状況にある人が気の毒でなりません。
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