BMW 3シリーズGT(グランツーリスモ)海外試乗レポート/石川真禧照(2/2)
- 筆者: 石川 真禧照
- カメラマン:BMWジャパン
伸びたホイールベースは、居住空間の向上に当てられている
今回、イタリア・シシリー島で行われたプレス試乗会に用意されていたのは、「335i」と「320d」の2車種。いずれもトランスミッションには8速ATを備えていた。
最初に試乗したのは、ガソリン仕様の「335i」。直6の3リッターエンジンは306ps、400Nmを発生。太いトルクは335i GTのボディを1,500回転から徐々に引っぱる。やや重めの操舵感は、スポーティ感覚を楽しませてくれた。
ロングホイールベース化されたシャーシは、ワインディングでの安定感や高速での直進性の向上に貢献していた。ちょっと気になったのは高くなった重心のためか、ハンドルを少し切ったときの横揺れだ。
豪快だったのは4気筒のディーゼルターボ。320dは194ps、380Nmという太いトルクの持ち主。ディーゼル特有のノッキング音は、アイドリング時にはやや耳に入ってくるものの、走り出してしまえば気にならない。
トルクは2000回転からレスポンスがよくなり、3000回転からの鋭いターボディーゼル加速を体感させてくれる。乗り心地はコンフォートモードなら、横揺れもかなり抑えられており快適だった。
この快適さをもう一方で支えているのは居住空間。110mm延びたホイールベースは、ほとんどリアシートの居住空間の向上にあてられている。
実際にリアシートに座ってみると、レッグスペースは確実に5シリーズよりも広い。前後シートに身長175cmクラスが座っても狭さはなかった。動力性能も320dで0→100km/h加速は8秒台。スポーティモデルとして充分に通用する実力は持っている。
セダン/ツーリングよりも魅力的
3シリーズとして、3番目のモデルになったグランツーリスモの日本への導入は、6月頃の予定だ。すでに書いたように、日本仕様は、320i、328i、335iというガソリンエンジンのみのラインナップ。
車両価格は、現行のツーリングの20~25万円高といわれているので、320iで500万円前後と思われる。グレードは装備により、モダン、スポーツ、ラグジュアリーがそれぞれのモデルに用意される。さらにMスポーツも秋には加わる予定だ。
駆動方式も、当初はフロントエンジン、リアドライブのFR車だけだが、今冬までにはXドライブ(4輪駆動)も選べるようになる。
個人的には、試乗会場でハンドルを握った2Lディーゼルターボの320d+Xドライブというのがベストチョイスだと思う。
この3シリーズグランツーリスモだが、セダン/ツーリングよりも、ボクには魅力的なモデルに思えた。
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