「あぁ、BMWって素晴らしい!」/“愛すべき”魅力あるクルマ達を絶賛する【試乗】(3/5)

「あぁ、BMWって素晴らしい!」/“愛すべき”魅力あるクルマ達を絶賛する【試乗】
「あぁ、BMWって素晴らしい!」/“愛すべき”魅力あるクルマ達を絶賛する 「あぁ、BMWって素晴らしい!」/“愛すべき”魅力あるクルマ達を絶賛する 「あぁ、BMWって素晴らしい!」/“愛すべき”魅力あるクルマ達を絶賛する BMW M235i BMW M235i BMW M235i BMW M235i BMW M235i BMW M235i BMW M235i BMW M235i 画像ギャラリーはこちら

街乗りでは“ターボであることを忘れてしまう”ほど滑らかなフィーリング

そして、最大の悶絶ポイントとして世界中のクルマ好きから壮絶な期待を寄せられる宿命を背負った直6エンジン。N55B30Aと呼ばれる3リッターのツインスクロールターボは、いかにも緻密で繊細なスターターの始動音とともに目覚めた後は、アイドリングでは拍子抜けするほど普通。

暖気が済んだ後でも、アイドリング状態から繋がりどころがわかりやすいクラッチペダルを踏む力をスッと抜くだけで一切グズルことなく滑るようにして発進できます。

BMW M235i

混んだ市街地でタラタラ転がしている時から印象的なのは、駆動系の精度の高さとパワートレーンのマウント類の剛性の高さ、そしてエンジンの微低速域のトルクの太さと粘り強さで、どのギヤでも停止寸前までクラッチを切るのを忘れてもギクシャクしないため、MT慣れしていないドライバーでも扱いやすいでしょう。

低いギヤで回転を上げ下げしてもパワートレーンが揺すられる感触は微塵もなく、アクセルペダルは踏みしろが大きいので、エンジンの呼吸を右足で思いのままにコントロールする感覚に溢れています。踏めば加速をするというより、踏んだ分だけエンジンの肺に空気が送られることがイメージできる、エンジンの鼓動や息づかいが伝わってくるところがリニアです。

個人的には「NA時代の直6と今のターボの直6、より官能的なのはどちらか?」というテーマが猛烈に気になっていましたが、街乗りではほとんどNAのようなフィーリングにて、ターボであることを忘れてしまうほど。

“脳髄”から高揚感が高まる排気サウンド

BMW M235i

ドライブモードを「スポーツ」または「スポーツプラス」に切り替えると、アクセルレスポンスやタコメーターの針の動きが鋭敏となり、サウンドも大きくなります。

この手の機構は、今やどのスポーツモデルにも当たり前のように備わりますが、M235iでは「演出のホンモノ感」が別格でした。

特に欧州ブランドのスポーツモデルはこの手の制御に極端なメリハリをつけるのが顕著で、「面白いけど演出過多」と思えることが多く、BMWも一部例外ではありません。

たとえばi8などでは電子的に創り出した音で大げさに雰囲気を盛り上げるようなところがあり、最初は普通に騙されて快音に感じるものの、やはり電子的に作られた音、あるいは演出過剰系の爆音はやがて聴いててシンドくなり、金持ちが経済力の高さをアピールして威嚇するための装備のように思えてしまいます。自分の経済力で買ったクルマなら、きっとそれも甘美なものなのでしょうが。

BMW M235i

しかし、M235iのサウンドは違いました。完璧に制御された緻密な爆発が完全バランス状態の中で炸裂する際に発生した自然な爆音として浴びることができるので、演出過多系の爆音と異なり、魂や脳髄から高揚感が高まるので、永遠に浴び続けても飽きないと思える快感が続くのです。

「BMWの直6」という、世界中のクルマ好きが勝手に盛り上がる期待度に対し、それを上回る勢いで見事に応える本物のスターがここに居た!という感じです。

現在の6気筒エンジンでは世界No.1の“気持ち良さ”を誇る

ここでひとつ冷静になり、今もワタクシの記憶に焼き付いて離れない初代130i(6MT)のN52B30型や、かつてのM3やZ4Mなどに積まれた名機S54B32型などの、NA時代の超絶シルキーな直6の官能性を超えているか否かについて吟味してみるのですが、その結論は出せませんでした。

今のエンジンを単体で味わう限りでは、かつてのNA時代と互角かそれ以上と感じます。

BMW M235i

しかし、もし同時に新旧の乗り比べをしてみたら、「やっぱりフィーリングはNAの方がっ!」という結果になるかも知れませんし、NA時代のフィーリングはワタシの脳内で美化補正されていたことが判明するかも知れません。それはまた、いつかどこかの機会で試せればと思いますが。

今断言できることは、今のエンジンを単体で味わう限りでは、6気筒エンジンとしては間違いなく圧倒的世界ナンバーワン級の気持ちよさであるということ。V6エンジンでもスポーツユニットとして文句のない痛快さが味わえるものが増えましたが、やっぱりエンジンフィールではBMWが今もなお突出して官能的であることを再認識させられました。

大昔から、直列6気筒と水平対向6気筒は「完全バランス」といわれ続けてきましたが、その優位性は性能よりもフィーリング面で如実に現れるのだと実感します。

ブチ回した時はもちろん、たとえばアイドリングストップからの再始動時など、ごく日常的な瞬間にも振動の小ささにニンマリさせられること必至!BMWの直6をMTで味わうと、欧米で流行りの演出過多系スポーツユニットは、人気アイドルユニットの口パクLIVEのようなものだと思いました。

アイドルの口パクも、それはそれで大衆向けの音楽として成立しているし、聴いてて楽しいので否定はしません。しかし、それらと比べるとBMWのエンジンフィールは本物の実力派ミュージシャンの生演奏や生歌的な感じ。LIVEをみるとホンモノ感に打ちのめされる衝撃を受けるのです。

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マリオ 高野
筆者マリオ 高野

1973年大阪生まれ。免許取得後にクルマの楽しさに目覚め、ヴィヴィオとインプレッサWRXを立て続けに新車で購入。弱冠ハタチでクルマローン地獄に陥るも、クルマへの愛情や関心は深まるばかりとなり、ホンダの新車セールスマンや輸入車ディーラーでの車両回送員、ダイハツ期間工(アンダーボディ組立て)などを経験。2001年に自動車雑誌の編集部員を目指し上京。新車情報誌やアメ車雑誌の編集部員を経てフリーライターとなる。編集プロダクション「フォッケウルフ」での階級は「二等兵」。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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