BMW 2シリーズ M235i クーペ[6MT] 試乗レポート/岡本幸一郎(3/3)
- 筆者: 岡本 幸一郎
- カメラマン:島村栄二
4シリーズよりもさらに一体感のある走り
2年半ほど前にハッチバックの現行1シリーズを初めて走らせたときにも、あまりの進化に驚き、このクラスもついにここまできたかと感心したものだった。そして基本的にはその延長上にある新しい2シリーズにも、あらためてドライバビリティの洗練度の高さを実感した次第である。
箱根のワインディングをドライブすると、最近のBMW車の例にもれず、サスペンションがたっぷりストロークして確実に路面を捉えていることが、まずわかる。路面の荒れた箇所を通過しても、その感覚が変わることはなく、むしろ本領を発揮するほど。ステアリングを切ったとおりに俊敏に向きを変えると、見事なまでに狙ったラインをキレイにトレースしていける。
4シリーズのフットワークも素晴らしかったが、コンパクトで軽い2シリーズは、やはり走りの一体感では上回る。2グレードを試乗したうち、M235iのほうがハンドリングの切れ味はシャープで、鼻先の軽い220iのほうが動きは素直でダイレクト感がある。どちらを選んでも、それぞれのメリットがある。
M235iと220iではエンジンフィールも大きく異なる。
いまやBMWのラインアップの中でも、たとえ3シリーズや5シリーズあたりも4気筒が主流で、6気筒は簡単には選べない雰囲気になってきたが、むしろ2シリーズのほうが6気筒を選びやすい設定となっているように思える。どちらも十分な速さを持つ中で、上品なエンジンサウンドや中間加速でのトルク感、スムーズな吹け上がりなどは、さすがはM235iはBMWが誇るストレート6だけのことはある。
一方で220iも、性能的にはまったくもって不満はなく、M235iにはいささかトゥーマッチな印象もあるところ、手の内で操れる感覚がよい。4気筒ながら上まで回したときのノイズも抑えられており、こちらはこちらで非常によくできていることには違いない。6気筒にこだわらなければ十分に満足できるはずだ。加えて、燃費のよさも武器となる。
BMW M235i Coupe[6MT・FR] 主要諸元
全長x全幅x全高:4470x1775x1410mm/ホイールベース:2690mm/車両重量:1530kg/駆動方式:後輪駆動(FR)/乗車定員:4名/ステアリング位置:右/エンジン種類:直6 DOHC M Performance ツインパワー・ターボ ガソリンエンジン/総排気量:2979cc/最高出力:326ps(240kW)/5800rpm/最大トルク:45.9kg・m(450N・m)/1300-4500rpm/トランスミッション:6速マニュアルトランスミッション/タイヤ・ホイールサイズ:(前)225/40R18 7.5Jx18ホイール・(後)245/35R18 8Jx18ホイール[Mライト・アロイ・ホイール・ダブルスポーク・スタイリング436M]/車両本体価格:601.0万円[消費税8%込み]
※試乗・撮影車はオプション装着車
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