単なる高級車ではないベントレーの神髄、新型ミュルザンヌ試乗レポート(2/2)
- 筆者: 九島 辰也
4桁のNm
といったボディの見直しとともに、NVH対策も今回はさらに強化した。
エンジンマウントとサスペンションのブッシュを進化させ振動を減らしたり、タイヤをサプライヤーのダンロップと共同開発し従来車から50%のノイズ削減を実現した。これらはすべてキャビンを快適にするためのものとなる。
ではパワートレーンはというと、当然のこと排気量は変わらず、ついでにパワーも今回はそのままスライドされた。
6.75リッターV8から繰り出される最高出力は、スタンダードモデルで512ps、ハイパフォーマンス版の「スピード」で537psを発揮する。
恐ろしいのはそれぞれの最大トルクで、前者が1020Nm、後者が1100Nmとなる。4桁のNmなんてそう見るもんじゃない。ちなみに「スピード」の最高速度は305km/hに達する。
具体的には、絶対的なパワーを持つエンジンと不安のないストッピングパワー、それとピタッと路面に吸い付くようなエアサスペンションのセッティングだ。トータルでフワフワしたところはなく、どれもビシッとその役目を果たす。しかも、ドライブダイナミックコントロールというデバイスをスポーツにすると、エアサスがハードになり、ステアリングレスポンスもクイックになる。
結果クルマの大きさを忘れてしまうほど、ワインディングで機敏に向きを変えて駆け回れるのだから恐れ入る。まさにベントレーマジックだ。
さらに言えば、そのあと乗ったスピードはさらにそれが如実だった。エキゾーストサウンドを含め、レーシーさはより前面に押し出される。なるほど、このカテゴリーはまだまだ元気のようだ。
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