ベントレー「パワー・オン・アイス」試乗レポート/桂伸一(2/2)

  • 筆者: 桂 伸一
  • カメラマン:ベントレーモーターズジャパン
ベントレー「パワー・オン・アイス」試乗レポート/桂伸一
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氷上の最高速度記録車で、記録保持者の同乗試乗も叶う

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試乗ラインナップは、最強の「スーパースポーツ」から「GT」のW12とV8のエンジン違い。セダンのフライングスパーを加えた4モデル8台がずらりと並ぶ。もちろんスペアカーも多数用意され、その場だけで幾らになるのかを考えてしまう程。

氷の彫刻によるベントレーのエンブレムの前には、ロールバーや後部に仕掛けを持つ武装したコンチネンタルスーパースポーツ・コンバーチブルが鎮座する。氷上の最高速度記録車であるこれは、「パワー・オン・アイス」のリーダー、ユハ・カンクネンが2011年2月フィンランド沖の氷結したバルト海上で330.69km/hと、自身が持つ記録をベントレーで破った記念のモデル。もちろん飾りではなく、ユハ・カンクネン自らのドライブで同乗試乗も叶う。

非降雪の国から参加したプレス(ゲスト)にはまず、AWDの駆動配分が50対50でホイールベースがGTよりも320mm長い3065mmのフライングスパーの穏やかな挙動変化から体験させ、氷上で滑る感覚を体に養わせる。

通常、車輌安定装置のESPをOFFにしたとしても、ベントレーの試乗でここまで攻め込む事などない。その素性を明確につかむことができた今回の経験は貴重である。

まず、挙動がもっとも変化しやすいモデルはGTのV8。

AWDはセンターのトルセンデフを介して前後の駆動配分が40対60になる。これはすべてのコンチネンタルに共通で、次期フライングスパーにも導入される。

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御大、ユハ・カンクネンの操縦を探る

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V8は重量バランス的に軽いノーズと駆動配分の効果から、ステア操作と同時にFRのように機敏な回頭性を示す。そしてスライドが始まりエンジン出力を加えるのだが、4L V8ツインターボと8速ATの鋭い加速力を示すローギヤードな特性が、アクセルによるパワーオーバーステアを誘発する。

そこで御大、ユハ・カンクネンの操縦を探ると、リアが滑っても即座にカウンターステアは当てず、クルマの姿勢の変わり方を注視する。

というより、どう動くかは長年の経験値で熟知しているように切り込んだステアリングをそのままにノーズが脱出方向に向くまで黙って待つ。横でそれを眺めているほうがイジイジする。

この流れ方に対して自分ならとおにカウンターステアをあて、エンジンパワーを加えるところ。

ところがそうすると(実際にやった)カウンターステアの方向にドリフトが激しく起こり、単に横に流れて最悪コースオフしてしまうのだった。期待値になったところで始めてアクセルを大きく踏み込み横のスライドを縦のトラクション(駆動)に変えて姿勢を収束させる。上手い!お見事である。

同じGTでもW12のほうは重いノーズが俊敏な動きはせずにゆったり滑らかに変化。低速トルクに溢れる特性はジワッとトルクを引き出せ、スライドも姿勢の立て直しに使うエンジントルクも沸き上がるように使える。

ベントレーのタフネスぶりに感動

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アクセルを踏むべき時は短時間だがフルに踏みつける場合もある。そうしてスパイクタイヤの威力により舵角の方向に向きを変えて立ち上がれるのだから。

どれも重量は軽く、2トンを越える巨漢がタックインもすればスピンもする。カウンターステアとドリフトで立ち直り、またコースオフで雪面に突っ込み、引っ張り出され、さあまた「走れ走れ」である。ベントレーのタフネスぶりには感動すら覚える。

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同時にWRCチャンピオンを横に乗せ、自身のドライビングスキルに直接アドバイスがもらえる。あるいはチャンプからドライビングを盗む事も可能なプログラム内容に満足する。が、まだこれで終わったわけではない。

広大な氷原をスノーモービルで挑むツアーが試乗の合間に。開かれた試乗後のディナーは5キロの道のりをシベリアンハスキー6頭が引く“犬ぞり”に乗り、彼らの呼吸がもれ伝わるほど静かな中を驚くほど速い滑走速度で、目的地、トナカイの牧場に到着する。

などなどゲストをけして飽きさせないアクティビティの数々にすっかり酔い痴れる。今期のプログラムは終了したが、また来年も開催は間違いない。開催予定は正規販売店もしくはWebサイトにて、早いもの勝ちです。

ちなみに参加費用は1名様9990ユーロ(1ユーロ@/122円でおよそ121万円)“から”。

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桂 伸一
筆者桂 伸一

1982年より雑誌「OPTION」誌編集部員からレーシングドライバーに転身!!92~93年はR32 GT-RでN1(現スーパー)耐久シリーズチャンピオン。近年はドイツ・ニュルブルクリンクで開催される24時間レースに、アストンマーティン・ワークスカーのドライバーとして参戦。2度の優勝を飾る。日本ジャーナリスト協会(AJAJ)会員、日本カーオブザイヤー(COTY)選考委員、ワールドカーアワード(W-COTY)選考委員。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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