アウディ 新型S6 試乗レポート/大谷達也(3/3)

  • 筆者: 大谷 達也
  • カメラマン:アウディジャパン株式会社
アウディ 新型S6 試乗レポート/大谷達也
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気付かない程スムーズに切り替えが行われる「気筒休止システム」

アウディ 新型S6アバント

S6&S6アヴァントの国際試乗会が開かれたのはドイツのミュンヘン空港周辺。その運転席に収まってエンジンを掛けたとき、私の頭の周りにはクエスチョンマークが20個くらい浮かんだ。

「これ、本当にエンジンかかっているの?」ちょっと大げさに言うと、そのくらい室内は静かで、スムーズだったのだ。

もちろん、エンジンがかかっていることはわかります。でも、4リッターから420psを絞り出すハイパワーエンジンが始動したという印象はまるでなく、室内は、たとえばアウディの最高級サルーンであるA8と変わらないくらいの静けさに保たれていたのだ。

走り始めても、その洗練された印象に変わりはなかった。まず、スロットルペダルを踏み込むとスルリとS6は動きだし、デュアルクラッチギアボックスのSトロニックがいよいよ熟成されたことを実感する。

そのあともエンジン回転数は2,000rpm前後を保ったままポン、ポン、ポンとシフトアップ。気がつけば、アウトバーンの流れに苦もなく乗っているという具合なのだ。

メーターパネル内には8気筒から4気筒に切り替わったことを示すインジケーターがついているけれど、これを見ていなかったら、いま8気筒か、4気筒かを言い当てるのは至難の業だ。逆に、普通に乗っていたらまず気づかない。そのくらい、この切り替えはスムーズに、そしてひっそりと行われる。

あっと言う間に、そして“静かに”240km/hへと到達

アウディ 新型S6アウディ 新型S6

では、もう少しスロットルペダルを力強く踏み込むと、どうなるのか?

この手のハイパフォーマンスカーによくあるように、排気系の経路が“迫力サウンド・ルート”に切り替わり、V8らしい重低音を響かせ始める……のだけれども、そのボリュームは、既存モデルに比べるとはるかに小さい。人によっては、ちょっと物足りないと感じるかもしれないくらいだ。

けれども、アウディはここをわざと狙っているのだと思う。ハイパフォーマンスカーだからといって、爆音を響かせるのはもう時代遅れ。これからは「速いけれど静かなクルマ」が主流になる。そんな思いが、アウディにはあるのだろう。

実際、このS6はとんでもなく速い。アウトバーンの速度無制限区間でスロットルペダルを踏み続けたら、あっという間に240km/hに到達してしまった。それも、相変わらず静かなまま。こんなスポーティセダンには、いままで乗ったことがなかった。

乗り心地も悪くない。ちょっとタイヤのざらついた印象が気になったけれども、基本的には路面からの突き上げをエアサスペンションがそっと受け止めてくれる、そんな印象なのだ。

ハンドリングは安定性重視の味付けながら、いざというときにはトルクベクタリングやスポーツデファレンシャルなどのハイテク装備が威力を発揮、狙ったとおりのラインをトレースできる。これも、アウディらしい未来的スポーティ・ドライビングの一部といえるだろう。

驚くほど高性能でありながら、それを声高に主張することのないアウディ 新型S6は、知的でスポーツも万能なジェントルマンを思わせるクルマだった。

日本導入は今秋の見通し。価格は1,200万円を越えると予想される。

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大谷 達也
筆者大谷 達也

1961年、神奈川県生まれ。エンジニア職を経験後、1990年二玄社に就職し、CG編集部に配属となる。以来、20年間にわたり同誌の新車情報、モータースポーツに関する記事を企画・編集・執筆。2010年3月フリーランスとなる。現在もCGの編集・執筆業務に携わる傍ら、ENGINE、GENROQ、東京中日スポーツ新聞、レーシングオンなどにも寄稿。日本モータースポーツ記者会会員。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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