アウディ RS6アバント 試乗レポート/桂伸一(1/2)
- 筆者: 桂 伸一
- カメラマン:茂呂幸正
V8ツインターボの雷のようなサウンドを轟かせて豪快に駆け巡る
アウディは、日本にRSの最新モデルをお披露目するにあたり、これまでのシリーズ戦すべてのレースで連勝中のWEC(世界耐久選手権)富士スピードウエイ大会をその場に選んだ。最強のレースカーと最強のサルーンであるRSシリーズの発表とはうまい組み合わせである。
試乗当日、本コース上では3.7リッター V6 TDIエンジン(490hp/86.7kgm)を搭載するWECマシンのアウディ「R18 e-tronクワトロ」(ル・マンカーと言うほうが判りやすい)が、無音に近いディーゼルサウンドでシュワーと空気を排出しながら疾走している。打って変わって、ショートコース上ではサルーン最強の「RS6」がV8ツインターボの雷のようなサウンドを轟かせて豪快に駆け巡る極端な対比が面白い。
ダウンサイジングで失われたパフォーマンスは、直噴の燃焼効率とツインターボ技術で補う
今回上陸したのは「RS6アバント」。ポルシェとの共同開発により誕生した「RS2」を皮切りにRSには必ずアバント、つまりワゴンが存在する。「RS6セダン」は消滅した代わりに「RS7」が加わった。
従来のRS6からの最大の変化は、エンジンを5.0リッターV10から4.0リッターV8へと排気量と気筒数をダウンサイジングした点。失われたパフォーマンスは、WECでもその威力をいかんなく発揮している直噴の燃焼効率とツインターボ技術で補う。その意味では従来のV10と同様だが時代に沿った技術革新により、燃費性能を大幅に引き上げた。従来の10-15モードで5.4km/Lだった燃費は、JC08値で10.4km/Lと優れた数値に変わった。
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