アウディ A7スポーツバック 試乗レポート/大谷達也(4/4)

  • 筆者: 大谷 達也
  • カメラマン:オートックワン編集部
アウディ A7スポーツバック 試乗レポート/大谷達也
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アウディらしい機敏さと乗り心地の良さ

ずいぶん前置きが長くなってしまった。そろそろ試乗車に乗り込んでみよう。

日本で発売されるアウディA7スポーツバックは、3リッターのスーパーチャージャー付きV6エンジンを積む1モデルのみ。

アウディ A7スポーツバック

最高出力の300psはこのクラスの標準的な値だが、最大トルクの440Nmはライバルを確実に凌いでいる。このデータから、街中での扱いやすさがまず想像できる。

実際のところ、アウディA7スポーツバックは混雑した市街地でもスイスイと軽快によく走る。ドライバーの操作に、遅れなく反応してくれる。だからストレスが溜まらない。

いやいや、それどころか、これほど簡単に、自分の思いどおりに走らせられるクルマはそうそうない。レスポンスのいいクルマの代表選手といっても過言ではないだろう。

このエンジンのよさをそのまま引き出してくれるのが、前述したSトロニックである。

アクセル操作に機敏に反応し、ポンポンとリズムよくシフトアップしたかと思えば、アクセルを踏み込めばドーンと一気にシフトダウンし、猛然と加速し始める。なんだかビデオで早送り再生しているみたいな、素早いドライビングが楽しめる。いかにも最近のアウディらしい仕上がりだ。

アウディ A7スポーツバック

乗り心地も舌を巻くほどいい。

試乗車は265/35R20という、ちょっと前のスーパーカー並に大きなタイヤを履いていたが、この、薄っぺらくて重いはずのタイヤであることを忘れてしまうくらい、サスペンションの動きはしなやかで快適だった。

それでいながら、ハンドルをすっと切ると、クルマの鼻先はピュンと内側を向いてくれる。ここでも、アウディらしい機敏さを感じてもらえるはずだ。

キャビンも広々としていて気持ちいい。

身長172cmの筆者が後席に腰掛けても、頭上には拳半分ほど空間が残るし、膝周りは前席シートバックとの間に拳ふたつ分のスペースがある。

大人が長時間、過ごすことのできるシートだ。

室内の仕上げも申し分ない。ひとつひとつの部品の精度が高く、それらが寸分の狂いもなく取り付けられていることがよくわかる。

どこをとっても不満がない。アウディA7スポーツバックは、その流麗なデザインに象徴されているとおり、まるで未来からやってきたクルマのようだ。

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大谷 達也
筆者大谷 達也

1961年、神奈川県生まれ。エンジニア職を経験後、1990年二玄社に就職し、CG編集部に配属となる。以来、20年間にわたり同誌の新車情報、モータースポーツに関する記事を企画・編集・執筆。2010年3月フリーランスとなる。現在もCGの編集・執筆業務に携わる傍ら、ENGINE、GENROQ、東京中日スポーツ新聞、レーシングオンなどにも寄稿。日本モータースポーツ記者会会員。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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