アウディ A7スポーツバック 海外試乗レポート(1/3)
- 筆者: 大谷 達也
- カメラマン:アウディジャパン
アウディの思いが具現化された「A7スポーツバック」
アウディの“A”ファミリーにニューモデルが加わった。その名も「A7 スポーツバック」。
A7 スポーツバックは、ミドルクラスサルーンのA6と最上級サルーンであるA8のギャップを埋めるという役割を担っている。
つまり、メルセデス・ベンツでいえばEクラスとSクラス、BMWでいえば5シリーズと7シリーズの中間に位置するモデルがA7スポーツバックなのである。
とはいえ、両クラスの間にそれほど大きな空白は存在していたのだろうか?また、このギャップを埋めておかないと、ライバルメーカーに顧客を奪われてしまう恐れがあったのだろうか?
ふたつとも、答えはノーだろう。
この隙間を突いたモデルといえばメルセデス・ベンツCLSくらいのものだが、あちらはEクラスとSクラスの間を埋めるためというよりも、4ドア・クーペという新しいジャンルを開拓するために生まれたモデルだ。
クーペらしい造形という意味ではA7スポーツバックと共通するものの、5ドア・ハッチバックを採用する点はCLSとまったく異なっている。
アウディによれば、A7スポーツバックはクーペのエモーショナルなキャラクター、セダンの快適性とプレステージ性、そしてステーションワゴンの実用性を融合したクルマだという。なるほど、CLSがセダンとクーペを融合させたモデルだとすれば、A7スポーツバックは、そこにもうひとつ、ステーションワゴンという価値をつけ合わせたモデルだと考えられる。
したがって、ふたつのクラスのギャップを埋める役割もさることながら、純粋なセダンとはひと味異なるモデルを投入したいという、アウディの思いを具現化したのがA7スポーツバックであろう。
また、R8という超ド級のスーパースポーツカーをのぞけば大型クーペを持っていなかったアウディにとって、A7スポーツバックの投入は当然の戦略だったともいえる。
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