V6を超える直4の実力に迫る!アウディ 新型A6 [2.0TFSIクワトロ] 試乗レポート(1/2)
- 筆者: 桂 伸一
- カメラマン:茂呂幸正
従来のV6 2.8リッターに代わり、新たに加わった直4 2.0リッターモデルへ試乗!
大柄なボディサイズでも、引き締まったボディの感触と操作に対する正確な応答が返って来ると、ヒトはそれを思いどおりに動く“軽快感”と感じるようだ。
直近のアウディで特にこれは!と感じさせるのは「S3」だが、その同じ感覚をクラス上のしかも200kg以上も重い「A6」で感じさせる所が、アウディというメーカーの要点を抑えたクルマ造りの妙技かも知れない。
TTと同様、アウディセダンの中核、A6もフェイスリフトしてキリリと締まった6角のシングルフレームグリルと、それにつながるヘッドライトのデザイン変更により、精悍な新しいアウディ・ファミリーのマスクで登場した。
注目は従来のV6 2.8 FSIに代わって新たに加わる、高効率、環境対応、省燃費のダウンサイジングユニットの2リッター直噴ターボ、2.0 TFSIクワトロ。
V6に対して2気筒と800CC縮小した直列4気筒は、パワーで48ps、トルクは90Nmも上回る252ps/370Nmを誇る。これにツインクラッチ式ATの7速Sトロニックが組み合わされて伝達。
TT(TTS)とエンジンは基本的に同じながら「5気筒!?」を連想させるサウンドを奏でるTTに対して、こちらは踏み込むと4気筒らしいパンチ溢れるクリーンなエンジンサウンドと、静粛性の二面性を持ち合わせてより軽快で実用的であり、スポーツ性も高い。アクセルに軽く触れる感覚で静かに歩くように発進する低速トルクの太さによる余裕。
エンジン出力を誇張するかのように、わずかな操作(アクセルの踏み込み量)で過敏に反応する事を“抑えた”オトナの設定が上級サルーンらしい落ち着きがある。
“実用”と言うには、いささか語弊があるかも知れない。パワフル故、日本ではアクセル開度の半分も使えば十二分なダッシュ力と絶対スピードの高さを示すからだ。
252psのパワーは5,000~6,000rpm、370Nmのトルクはアイドリング回転からわずか1,600~4,500rpmの幅広い回転域で発生するから、低回転から力強い加速が効く!!
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