アウディ TTロードスター 海外試乗レポート(2/3)
- 筆者: 西川 淳
- カメラマン:アウディ・ジャパン株式会社
おそらく、もっとも実用的なオープンカーの1台であろう
ルーフがソフトトップになるだけで、内外装ともに基本的にはクーペと同じ”見かけ”である。例のアルミニウムとスチールのハイブリッドボディももちろん継承されている。ただし、アルミルーフがソフトトップになったため、サイドシル強化に遣われたアルミ分を差っぴいても、クーペに比べると9%ほどアルミ使用比率が低くなっている。
3層の生地からなるソフトトップを採用するが、柔さや頼りなさを感じることはない。そもそも小さくまとまったトップであるうえに、前半部分をクローズド時にはルーフライナーに、オープン時にはトノカバーになる硬い構造としているためで、強度的にも精神的にもこれで十分だと思えた。ソフトトップのカラーは、ブラックとグレーの2種類。
ボタン1つ、フルオートマチックの開閉機構を備える(欧州仕様にはマニュアル操作が標準)。全開閉にかかる時間は、手元の時計では、11秒(メーカー公表値は12秒以下)。ちなみにタウンスピード(50キロ以下で可能だが、推奨速度は30キロ)ならば開閉操作を行うことができるから、赤信号で青空が見たくなっても、急に雨が降ってきても、便利に対応できるだろう。
また、風除け対策として、電動でせりあがるウィンドウディフレクターがシート後部に設けられた(欧州仕様ではオプションだが、日本仕様はおそらく標準だろう)。その背後に2つのファッショナブルなロールバーが立っている。
グレードの違いを外観から判断するのは難しいが、FFは16インチアルミが、クワトロは17インチがそれぞれ標準で、オプションって18インチや19インチの設定もある。両モデルをはっきり区別したいなら、テールパイクを見るべきだ。左右2本出しとなるのが、V6+クワトロである。Sラインなどが出ない限り・・・・・・。
特筆すべきは、オープン時のトランクスぺ―スだ。なんと、リモアのラージサイズトランクがすっぽりと納まる。ネコもシャクシもリモワ派なご同業たちは、成田通いのできるオープンカーだと絶賛していた。リアシートにはトランクスルー機構も備わっているから、長尺物の収納も可能。おそらく、最も実用的なオープンカーの1台であろう。
インテリアの雰囲気はクーペに準じる。ロードスターだからといって変わるところはない。1つだけ、先代で好評を博したグローブレザーのシートが、新型にも設定されている。もちろん、色鮮やかな高級レザーシートなど、クーペに準じたインテリアオプションも豊富に用意された。
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