アストンマーティン V8ヴァンテージN430・DB9カーボンブラック 試乗レポート/石川真禧照(2/2)
- 筆者: 石川 真禧照
- カメラマン:小林岳夫
センターパネルのシフトボタンのDを押し、走り出す。しかし、街中ではセミATのミッションのシフトショックは大きく、乗り心地もかなり硬い。ハンドリングもタウンスピードでは操舵力はかなり重く、前245/40R19、後285/35R19という極太サイズのタイヤでは、細かな凹凸の多い道をスムーズに走ることはできない。その本領はサーキットでの走行なのだ。
以前、同じアストンマーティンのレーシングモデルに試乗したときもそうだった。シフトショックの大きいミッションも、レーシングスピードではスムーズになる。硬めの乗り心地もコースではフラットなのだ。
だから、この「N430」を本当に楽しむのならば、サーキットに持ち込むほうがよい。それを街中で乗る、という勇気のある人(それと約1700万円を支払う勇気も)に向けた趣味のスポーツカーなのだ。
今年10年目ながら、トップクラスの美しさをキープ
「N430」から「DB9ブラックカーボン」に乗り換える。こちらは約2400万円の高級スポーツカーだ。
「V8ヴァンテージ」と同じく、センターパネルのボタンで走行モードを選択し、走り出す。加速やサスペンションはセンターコンソール上のボタンでレベルを選択できる。ともにノーマルモードを選ぶ。乗り心地は、ややゴツゴツ感はあるが、「N430」と比べるとフォーマルセダンのように、良い。
「DB9」は2004年にデビューしているので今年で10年目を迎えたが、ボディはいまでもトップクラスの美しさをキープしている。動力性能も、乗り心地も世界のトップレベルを保ち続けている。いかに基本性能がしっかりしているかがわかる。こういうクルマに乗ってみると、日本の自動車メーカーのクルマづくりのレベルがまだまだということを思い知らされるのだ。
[レポート:石川真禧照]
ASTON MARTIN V8 Vantage N430
全長x全幅x全高:4385x2022x1260mm/ホイールベース:2600mm/車両重量:1610kg/乗車定員:2名/駆動方式:後輪駆動(FR)/エンジン種類:V型8気筒 DOHC/総排気量:4735cc/最高出力:321 kW (436 PS/430 bhp)/7300 rpm/最大トルク:490Nm/ 5000 rpm/トランスミッション:6段MT / 7段AT(Sportshift II オートメテッドマニュアルトランスミッション)/タイヤサイズ:(前)245/40R19(後)285/35R19
ASTON MARTIN DB9 CARBON BLACK
全長x全幅x全高:4720x2061x1282mm/ホイールベース:2470mm/車両重量:1785kg/乗車定員:4名/駆動方式:後輪駆動(FR)/エンジン種類:V型12気筒DOHC/総排気量:5935cc/最高出力:517PS (510bhp)/6,500rpm/最大トルク:620Nm/5500rpm/トランスミッション:6段AT(Touchtronic2)/タイヤサイズ:(前)245/35 ZR20(後)295/30 ZR20
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