~ワタシの心を振るわせた、特別な彼 ~「Aston Martin(アストンマーティン) DB9 GT」ショートインプレッション(2/3)
- 筆者: 今井 優杏
- カメラマン:和田清志・小林岳夫・アストンマーティンジャパン
百戦錬磨のオンナすらも「うっとり」させる凄ワザの応酬
アストンマーティン DB9 GTは、リファインされた6リッターV12エンジンを搭載し、DB9より30psが引き上げられた547psを6750rpmで発生させる。組み合わされるのは6速のタッチトロニックIIで、これはトルコン式ATをアストン流に味付けしたものが搭載される。
外観上の違いはほぼないのだけど、ほんとうに間違い探しのように秘めやかに、スプリッターやディフューザーがブラックになっていたり、ライトとテールランプのデザインがリファインされていたり。ほかにもホイールもGT専用デザインが採用されたり、給油口キャップに“GT”の刻印がなされたり、またリアのエンブレムにも同じく“GT”の文字が入るなどという細かな程度に抑えられている。
これもDB9の素の美しさあってこそ、なんて思ってしまう時点で惚れた弱みなのかもしれない。あんま変わってないね、なんてクチが裂けても言えない。
イグニッションのお作法ひとつからして特別
ドライバーシートとパッセンジャーシートをキッパリと切り分けるかのように、シートと同素材の本革で立体的にふちどられたセンターコンソールが鎮座しておられるのだが、シートに身を埋めたドライバーはまず、このちょっと変化をつけたカーボン・パターンで覆われたインパネのど真ん中にイグニッション・キーをぶっ刺す!という、神をも恐れぬ大胆手法でエンジンを眠りから覚まさなければいけないのである。
ぐっと押し込めば、腹を震わせるような咆哮とともにエンジンに火が入る。 そしてクルマを前に進めるためにはその、イグニッション・キーを差し込んだ左右にあしらわれたガラス製のボタンでドライブレンジを選択するのだ。
特別すぎる。独特すぎる。気分はマックスに007である。こういう変化球はどんなクルマにも許されるものじゃない。
[DB9は徹頭徹尾、クールだった・・・次ページへ続く]
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