メルセデス・ベンツ 新型SL63AMG 海外試乗レポート/桂伸一(1/2)

  • 筆者: 桂 伸一
  • カメラマン:メルセデス・ベンツ日本
メルセデス・ベンツ 新型SL63AMG 海外試乗レポート/桂伸一
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“オールアルミボディ”新型SLの過激バージョン、「SL63AMG」の洗礼を受ける!

中央が桂伸一氏メルセデス・ベンツ 新型SL63 AMG

メルセデス・ベンツの国際試乗会はいつも風光明媚な土地が選ばれるが、今回もクルマのキャラクターに合わせてさらに優雅な薫り漂う地が選定された。

ニース空港からヘリに乗り換えひとっ飛び。どんなに最新鋭の機種でも、コレだけは何度乗っても“足元が悪い”。向かった先はサント・ロペ。降り立った先は白く広大なヘリポートと思っていたが、実は競技場。「POLOクラブ」へと着陸した。

もう間もなく量産モデルが日本に上陸する、6代目の「メルセデス・ベンツ SL」。メルセデスの量産モデルとしては初のオールアルミボディ構造により、徹底した軽量化が行われた注目の2シーターロードスターだ。

(個人的に)その新型SLの素性を知るよりも先に、ホットバージョンであるSL63AMGの洗礼を受けることとなった。

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SLらしい、といっていい流麗なスタイリングは相変わらず。

スリーポインテッドスターを含むグリルを楯のように切立てた現代のメルセデスマスク(SLマスク)は、当然SLでも採用されている。オープンでも、わずか20秒でクローズドに変身する金属のバリオルーフのクーペでも、モダンなスタイリッシュさに変わりはない。

SLS AMGなどで先行したアルミ技術を、量産モデルに展開した初のモデルが「SL」である。

スチールボディだった5代目SLに対して、新型SLはボディ重量で110kgマイナス。コンプリートな状態で125kgの軽量化がなされたことが新型SLとしての最大の進化である。

もちろんAMGだけあって、エクステリアはエアダムやスカート・スポイラーなどエアロダイナミクスを追求した各パーツと、ファットなタイヤ&ホイール、巨大なキャリパーにディスクブレーキなど足元の強化もAMGならではの凄みが与えられ、その性能とともに視覚的にもユーザー心理をくすぐられる。

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500馬力超えという高い動力性能を誇りながら、燃費はなんと「10.1km/L」!

メルセデス・ベンツ 新型SL63 AMG

「SL63」。名称こそ従来と同じだが、搭載されるパワーユニットは自然吸気のV8 6.3リッターから、ツインターボで過給するV8 5.5リッターへと変更された。その理由が環境対応であることは、同じ過給ユニット搭載のE63AMGでも報告されている。

新型SL63AMGのパワーは「537ps」、トルクは「81.6kg・m」。さらにAMGパフォーマンスパッケージを選ぶと「564ps」「91.8kg・m」にまで引き上げられる。メーカー公表値によると、0-100km/h加速は「4.3秒」と「4.2秒(AMGパフォーマンスパッケージ)」。0-200km/hが「12.9秒」と「12.6秒(AMGパフォーマンスパッケージ)」。

最高速は速度リミッターの作動範囲の違いというのが正解で、標準が250km/h、パフォーマンスパッケージが300km/h!と別世界(リミッターを解除すればそれ以上間違いなく伸びる)に誘ってくれるが、それだけではない。

強烈なパフォーマンスを示す一方、欧州規格の総合燃費は9.9L/100km。つまり1リッターで約10.1kmの走行が可能で、排出されるCO2は231g/kmと、その動力性能からすると驚くほど高い環境性能を備えている。

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桂 伸一
筆者桂 伸一

1982年より雑誌「OPTION」誌編集部員からレーシングドライバーに転身!!92~93年はR32 GT-RでN1(現スーパー)耐久シリーズチャンピオン。近年はドイツ・ニュルブルクリンクで開催される24時間レースに、アストンマーティン・ワークスカーのドライバーとして参戦。2度の優勝を飾る。日本ジャーナリスト協会(AJAJ)会員、日本カーオブザイヤー(COTY)選考委員、ワールドカーアワード(W-COTY)選考委員。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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