アルファロメオ アルファGT 新型車徹底解説

快適さとエレガンスが共存するスポーティクーペ

アルファロメオから｢アルファGT」が6月12日より発売となった。アルファGTは、アルファ156をベースに開発されたニュースポーツクーペである。

アルファGTのコンセプトは、快適さとエレガンスが共存するスポーティークーペ。イタリアの名門カロッツェリアBertone Style Centre(ベルトーネ）がデザインを担当。盾グリルに象徴される一連のアルファデザインを踏襲しながら、クーペの美しさを上手にまとったスタイルである。室内も大人4名が座ることができるスペースを確保。（乗車定員は5名） 後部には、リアガラス一体型のハッチゲートを備え（つまり3ボックスのトランクではない）、リアシートを倒すと、トランクスペースとフラットにつながる広大なスペースが広がる。（通常320リットル、リアシートを倒すと何と905リットル！ちなみに、156スポーツワゴンは、360/1,180でいかにGTが広いかお分かりいただけるはず。）

搭載されるエンジン＆ミッションは、（1）2000cc、直列4気筒DOHC16バルブ、166ps/6,400 21.0kgm/3250、5速セレスピード（シーケンシャルMT） （2）3,200cc、V型6気筒DOHC24バルブ、240ps/6200 29.4kgm/4800、6速マニュアル の2種類。駆動方式はいずれもFFとなっている。

グレード構成は3種類。（1）2.0 JTS SELESPEED （2）2.0 JTS SELESPEED Exclusive （3）3.2 V6 24V の3種類。Exclusive（エクスクルーシブ）はキセノンヘッドライトやフロントシートヒーターなどが標準装備となっている。

主な装備は、本革シート、アルミホイール（2.0は17インチ、3.2は18インチ）ヒーテッド電動ドアミラー、FM＋AM＋MP3＋CDチェンジャー＋BOSEサウンドシステムなど、一通りのものは揃っている。

安全装備も充実。エアバックは、フロント（運転席、助手席）サイド（左右）ウィンドウ（左右）と全部で6個。そのほかにも、VDC（スピン防止）、ASR（加速時のタイヤの空転防止）、MSR（エンジンブレーキの効きの制御）、HBA（ブレーキアシスト）などの電子制御システムも装備。もちろんボディは欧州の厳しい衝突基準もクリアしている。

アルファＧＴは、単なるデートカーではない。デートにも使えるお洒落さを持ちながらも、ドライビングの楽しさを満喫できるスポーツクーペである。しかもリアシートのスペースやトランクスペースも十分確保されているので実用性も犠牲にされていない。

3.2Lは、強烈なパワーを、最近は希少になったクラッチを使ったマニュアルシフトで操作する楽しみが味わえる。一方の2.0Lは、低回転での豊かなトルクと高回転までスムーズに回る吹け上がりを、シーケンシャルシフト（アルファではセレスピードと呼んでいる）で操作する楽しみが味わえる。特に、今回のアルファGTのセレスピードは改善が進み、シフトアップ時のタイムラグが短くなりより自然なシフトアップができるようになった。また、「ノーマル」「スポーツ」モードの際は、シフトホールド機能が設定され従来のようにレッドゾーンで自動的にシフトアップされることがなくなった。これにより、ドライバーはレブリミットまで思い通りにアクセル操作することが可能に。この恩恵は、峠道を楽しむ際に実感できるはず。

アルファロメオ好きはもちろん、今まで国産GTや輸入ハッチバックなどに乗っていた人たちに是非とも乗ってもらいたいベルトーネデザインのカッコよくて楽しいスポーツクーペである。