[速攻試乗]美しいスタイル、そしてこのうえなく愉しい走り/アルファ ロメオ 4Cスパイダー 国内初試乗レポート(6/6)
- 筆者: 嶋田 智之
- カメラマン:和田清志・FCAジャパン
ゆっくり走らせても愉しい・・・
そして、気持ちのいいオープンエアモータリングである。
ちゃんと防寒対策をしてヒーターも足元に向けて走れば、この季節であっても季節なりの心地よさを味わえるのは素晴らしい。時速80km/hぐらいまでなら、風は頭のてっぺんを撫でていく程度。それ以上だと、風の巻き込みよりも流れていく風の音が気になってくるかも知れない。そこに至るまでの領域なら、天井から降ってくるようなエキゾーストサウンドを直に楽しむことができるわけで、街中を軽く流すようにして走っているときでもスポーツカーを走らせている感覚は濃厚。
そう、オープンカーはスピードの多寡に関係なく気持ちのいいところがあるから、そこがまた素敵だ。同じ4Cであれば個人的にはこちらを選びたいと感じられる最も大きな理由は、そこにある。
ガンガン攻めてひとりで楽しむのも最高に楽しいけれど、たまにはゆっくりこのうえなく心地よく、誰かとデュエットクルージングだってしたいじゃないか。何せ、日本には本当に美しい四季というものがあるのだし・・・。
走りのパフォーマンスと、このうえない美しさと
アルファ ロメオはそれこそ戦前の時代から、オープンスポーツカーをそう絶やすこともなく作り続けてきたブランドだ。送り出されたクルマ達は押し並べて、ドライバーが走ることに没頭したいときには存分に応えてくれるだけの愉しさとパフォーマンスを持っているのはもちろん、悪目立ちなどしない美しさと印象的な存在感を漂わせていて、ふたりきりの甘い時間を決して阻害したりはしないクルマ達だった。
4Cスパイダーは、おそらくトータルパフォーマンスとしてはアルファ ロメオ史上最も速いオープンカーだが、同時にそうした歴々の確かな末裔でもあるのだ。
何とドラマティックなクルマであることか・・・。
[レポート:嶋田智之/Photo:和田清志・FCAジャパン]
Alfa Romeo 4C Spider 主要諸元
全長x全幅x全高:3990x1870x1190mm/ホイールベース:2380mm/車両重量:1060kg/乗車定員:2名/駆動方式:MR(ミッドシップエンジンレイアウト・後輪駆動)/エンジン種類:直列4気筒 インタークーラーターボチャージャー DOHC 16V ガソリン直噴エンジン/最高出力:240ps(177kW)/6000rpm/最大トルク:35.7kg-m(350N・m)/2100-4000rpm/トランスミッション:Alfa TCT(6速乾式デュアルクラッチオートマチック)/サスペンション形式:(前)ダブルウィッシュボーン(スタビライザー付)/(後)マクファーソンストラット(スタビライザー付)/タイヤサイズ:(前)205/45R17/(後)235/40R18[オプションで(前)205/40R18/(後)235/35R19]/燃料消費率:12.1km/L[JC08モード燃費]/メーカー希望小売価格:8,618,400円[消費税込み]
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