細かいところを見ると、専用のフロントバンパーやリアエンドのディフューザー、それと赤く塗られたブレンボ製キャリパーがそんな雰囲気を助長する。17インチのアロイホイールもフェラーリのそれからインスパイアされたデザインだそうだ。
個人的には、アバルト500も500 by ディーゼルも、それについ先日発表された500 by GUCCIも、どれもかっこよく思える。もちろん、スタンダードモデルも、だ。
だが、存在感という意味ではやはりアバルト695トリブート・フェラーリがダントツではないだろうか。“フェラーリ”という魔法がかけられたこいつは、これまでのどんな500とも違って見える。それは走り出しても変わらない、というか別物といった印象はより強くなる。
180psにパワーアップされた1.4リッター直4DOHC+ターボチャージャーは、予想以上に力強く頼もしい。スタンダードで100ps、アバルト500では135psを発揮するが、やはりクラスは2つくらい上がる感覚だ。
ただ走行モードをノーマルで走っても、それを充分に味わうことはできない。シングルクラッチの5速ATシーケンシャルが低回転でシフトアップを繰り返すからだ。これはデータ上好燃費を出すためのプログラミングで、常にそれを使うことはおススメしない。
というのも、このクルマの真骨頂はスポーツモードであって、パドルシフトを駆使して走らすのがトリブート・フェラーリの信の姿なのである。